はじき銀舎の地味日記

地味な生活を送る、冴えない男の日記

悲喜交交の髭男ライブ

1/22(土)に開催された「Official髭男dism one-man tour 2021-2022 -Editorial-」国立代々木競技場第一体育館初日公演に参加したので、ライブの感想を綴ろうと思う。

 

 

※セットリスト等ネタバレとなる内容に触れるので、これから参加される方や見たくない方は以下目にしないようにご注意ください。

 

 

 

 

 

髭男のライブに足を運ぶのは今回で5度目となった。

個人的には今回のような1万人規模のライブに参加するのは初だったが、いざ入場してみるとアリーナの26列というかなり前方の席でかつほぼ中央という神席。

場内では会話を控えていたが、内心のテンションは最高潮だった。

 

 

静寂に包まれた会場から大音量で轟いてきた幕開けの曲は、Universe

イントロから心地良いリズムに身体が動き、Vo.藤原さんが奏でる歌声はパワフルさにさらに拍車がかかっていた。

本ツアーはタイトル通りアルバム「Editorial」を引っ提げて行われているもので、Universeはラストナンバーに繋がる大事な役割を担っているが、オープニングを飾ってもしっくりくる不思議な感覚。

Official髭男dismのテーマパークがあるとするのならば、Universeはエントランスエリアのようになくてはならない大事なピースだと思った。

 

 

その後HELLO、宿命と続き最初の挨拶。

この時、観客の拍手がなかなか鳴り止まなかったのが印象的だった。

皆がそれぞれ待ってたよ、という声に出せない意思を表しているかのようだった。

 

 

115万キロのフィルム、Showerを挟んで演奏されたのは、みどりの雨避け。

披露前のBa.楢﨑さんのMCにグッときてしまい、曲中に涙してしまった。

好きなお店や友人、景色は永遠ではないこと。

来たくても様々な事情で来られない人達が沢山居ること。

ライブに来ることができているのは幸運であること。

この瞬間は楽しい時間を過ごしながらも、センチメンタルになっていた。

 

 

ライブで聴くのをとりわけ楽しみにしていた曲のひとつであるLaughterでは、壮大な楽曲の世界観と大きな会場に響く藤原さんの力強いボーカルが相乗効果を生み、感動の渦に包まれた。

"人格者ではなく 成功者でもなく いつでも今を誇れる人で在りたい"

何となく良い歌詞だなと思っていたこのパートがやたら刺さったのも、情勢や心情など様々な要因が重なった結果なのだろう。

 

 

前半最後に披露されたのは、最新曲Anarchy。

リリースされてからTV披露なし、ライブ音源や映像も未配信のため、この曲もどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか期待大であった。

演出もパフォーマンスもアングラ感が全面に出ており、ここまでのどの曲にも無い感情、カッコよすぎてひたすら圧倒されてしまった。

余計なお世話なんだけど、有観客での披露はまだ多くて6回目のはずなのに、何万回も歌って慣れてますみたいな貫禄すら伝わってきた。

新たなライブ定番曲になってほしいと率直に感じた。

 

 

MCの後、ライブは後半へ。

 

 

Stand By Youでステージと観客が手拍子で一体となり、声が出せない昨今のライブで最大級の盛り上がりを見せたかと思いきや、ブラザーズでは恒例のハンズアップで熱量は上がり続けた。

 

 

しかし、髭男はここで盛り上がりを止めない。

 

 

ノーダウト、FIRE GROUNDとライブアレンジを存分に取り込んだキラーチューンを怒涛の如く披露して会場全体のボルテージが最高潮に達すると、待望していない人間はひとりも居ないであろうCry Babyのサイレンが遂に鳴り響く。

 

 

圧巻、の二文字に尽きる。

曲が持つパワーが強い上に、あの演出を見せられちゃ誰しもノックダウンするよ。

 

 

光った瞳の中でリベンジを誓った後、Editorialで空気はガラッと変わり、アポトーシスで再び感傷的に。

 

 

アポトーシス終わりのMCでは、当たり前にライブができる訳ではない現在の想いを赤裸々に、だけど確固たる信念を持って紡ぐ藤原さんの言葉に2度目の涙が出てしまった。

 

 

本編ラストのLost In My Roomはそんな想いを胸にして観客一人ひとりに確かに届けられたであろう。

 

 

あくまで個人的に思ったことだが、本編終了後の会場の雰囲気はどことなく暗かった。

もちろんライブは楽しいしパフォーマンスは素晴らしいのだが、直前のMCの内容を皆が反芻して刻みつけてるような、そんな空気を感じ取った。

5分くらいだろうか、僕も例に漏れずMCを咀嚼したりライブを振り返ったり、代表曲2曲とも未だやってないな、などと考えているうちにアンコールに突入。

 

 

聴き慣れたイントロは、代表曲Pretender。

最早定番となりつつあるラスサビのアレンジを聴くことができ、自身2回目の生Pretenderはやはり前回同様鳥肌ものであった。

 

 

アンコール2曲目の異端なスターが始まったかと思いきや、この日誕生日であったDr.松浦さんのサプライズバースデーの一幕で会場は笑いと温かい空気で充満。

再度演奏開始した後も、4人ともが最高のパフォーマンスをしながらもおちゃらけていて微笑ましかった。

 

 

最後の曲はI LOVE…。

この日22曲目でありながら藤原さんの声は疲れや衰えを1ミリも感じさせず、むしろ会場を壊すくらいの"イレギュラー"に震えた。

 

 

 

 

 

今回は2020年5月参加予定だった「Tour 2020 -Arena Travelers-」の振替公演として、実に2年2ヶ月ぶりの髭男ライブであった。

チケットを購入したのは前回のライブ参加よりも前の2019年10月。

ようやく、という想いだった。

 

 

髭男のライブは2017年から毎ツアー参加できていたが、社会は大きな変貌を遂げ、I LOVE…以降の楽曲は生で未体験だった。

特に聴きたかったLaughter、Cry Baby、アポトーシス、そしてAnarchy。

すべて聴くことができてこの上ない幸せである。

 

 

残るライブ未体験の曲のうち、最新アルバムで唯一披露されなかったパラボラ、好きな楽曲である未完成なままでをいつか体験するためにも、現代社会を生き抜いてまたライブに行かなければならない。

 

 

それによって、出会ってからここ数年の人生を彩ってくれた感謝の意がいつか少しでも髭男に還元されればいいな、と切に願う。

 

 

 

Official髭男dism one-man tour 2021-2022 -Editorial-」

2022.01.22国立代々木競技場第一体育館公演

セットリスト

 

1.Universe

2.HELLO

3.宿命

4.115万キロのフィルム

5.Shower

6.みどりの雨避け

7.Bedroom Talk

8.Laughter

9.フィラメント

10.Anarchy

11.Stand By You

12.ペンディング・マシーン

13.ブラザーズ

14.ノーダウト

15.FIRE GROUND

16.Cry Baby

17.Editorial

18.アポトーシス

19.Lost In My Room

En1.Pretender

En2.異端なスター

En3.I LOVE…

2021年ベストソングTOP20

今回ははじき銀舎的2021年ベストソングを発表。

 

 

この記事を投稿する運びとなったのには理由があります。

 

大学生の頃バイト先の先輩から、社会人になったりさらに歳を重ねていくと新しい音楽を取り入れなくなるよ、と言われました。

 

自分はそんなことはないだろう、と思っていたものの、ここ数年新曲を聴く頻度が減っていることに気付かされました。

 

折角サブスクを利用して四六時中音楽を聴く生活をしているので、ブログにその記録を残すことで日常的に気になる新曲をチェックすることを欠かさず実行できるかもしれない、と考えるに至りました。

 

とはいえ、義務のように課しては続かない気がするので、あくまでも楽しみながら定期更新していけたらと思います。

 

 

※選考基準

○2020年12月〜2021年11月に発売または配信された楽曲が対象。

○独断と偏見で好きな曲、再生回数が多い曲、今後も聴き続けていくであろう曲、などを加味して順位付け。

○1アーティスト1曲のみ選出。

 

尚、ほぼ100%サブスクで音楽を聴くライフスタイルになったため、サブスク未解禁の楽曲・アーティストはランクインしておりません。

 

 

 

まずは20位から11位まで一気に発表。

 

 

20位:さかいゆう「愛の出番」

19位:大塚愛「なんだっけ」

18位:安田レイ「Not the End」

17位:郷ひろみ「100GO!回の確信犯」

16位:Omoinotake「EVERBLUE」

15位:スピッツ「大好物」

14位:星野源「不思議」

13位:DA PUMP「Dream on the street」

12位:藤井風「きらり」

11位:Ado「阿修羅ちゃん」

 

 

 

 

以下、トップ10となります。

 

 

 

10位:King Gnu「BOY」(2021.10.15配信開始)

 

アニメ『王様ランキング』OPテーマ。

井口さんのハイトーンが光るアップテンポナンバーは最高。

 

 

9位:ゆず「奇々怪界-KIKIKAIKAI-」(2021.11.10配信開始)

 

今年ゆずから選曲するなら「NATSUMONOGATARI」一択だと思ってたら11月に凄いのきた。

ところで、岩沢さんの喉は衰え知らずなんですか?

 

 

8位:上木彩矢wTAKUYA「Over Again」(2021.02.10配信開始)

 

ゲーム『KAMENRIDER memory of heroez』テーマソング。

2009年の楽曲「W-B-X〜W-Boiled Extreme〜」以来のコラボ曲ということで、W-B-Xのテイストが入っていてアガる。

 

 

7位:BLUE ENCOUNT「囮囚」(2021.09.08発売)

 

主題歌となっていたドラマを観ていた訳ではないが、この曲を大音量で聴いたらめちゃくちゃテンション上がる。

 

6位:SOMETIME'S「Slow Dance」(2021.05.26発売)

 

USENで初めて耳にした瞬間にあっ、この曲好きだとなって調べたらSOMETIME'Sの新曲だとわかり。

前年リリースの「Take a chance on yourself」を聴いた時におしゃれな曲だなと思ってたから、この曲を機にアーティストへの興味が湧き8月発売の1stアルバム『CIRCLE & CIRCUS』を何度もリピートして聴いた。

アルバムだと「シンデレラストーリー」「真夏の太陽」が好き。

 

 

5位:M!LK「Ribbon」(2021.11.24発売)

 

5人組ダンスボーカルグループ、M!LKのメジャーデビュー曲。

現在ハマって観ているドラマ『真犯人フラグ』メインキャストの1人である佐野勇斗さんがメンバーだと最近知り、色々観たり聴いたりしてたら好きになった。

過去の楽曲にも好きな曲が多く、メジャーデビューを機に今後の活躍が楽しみなグループ。

 

 

4位:Vaundy「花占い」(2021.07.05配信開始)

 

この曲も主題歌となっていたドラマは未視聴で、10月頃からハマって「泣き地蔵」とともによく聴いてる。キャッチーでポップゆえに、シャワー浴びてる時に気付いたら口遊んでることが多い。笑っちゃうよね。

 

 

3位:原因は自分にある。「柘榴」(2021.01.13発売)

 

7人組グループ"げんじぶ"こと、原因は自分にある。の1stアルバム『多世界解釈』リード曲。

このアルバムは1枚通して素晴らしい楽曲の詰め合わせなんだけど、(発売時点での)既発曲を除くと、このリード曲が特に好き。

 

 

2位:KAT-TUN「Roar」(2021.03.10発売)

 

28thシングルで、グループ初のストリーミングとダウンロードを解禁した楽曲。

Dead or Alive」や「UNLOCK」のような疾走感のあるダークな世界観があり、KAT-TUNといえばこうだよね!とやたらワクワクした。

 

 

1位:Official髭男dism「Cry Baby」(2021.05.07配信開始)

 

文句なしの1位は2021年の髭男の代表曲。アニメ『東京リベンジャーズ』OPテーマ。

初めてラジオで解禁された時の、知識のない自分の脳では咀嚼できないあの衝撃は今でも忘れられない。

日々聴き続けた結果、いつの間にやら鬼転調に耳が慣れてしまったが、髭男の曲の中でも5本の指には入るくらい好きな楽曲となった。

来年ライブでこの曲を生で体感できることが楽しみで仕方がない。

 

 

 

 

 

という訳で。

 

はじき銀舎が選ぶ2021年ベストソング

1位:Official髭男dism「Cry Baby」

2位:KAT-TUN「Roar」

3位:原因は自分にある。「柘榴」

4位:Vaundy「花占い」

5位:M!LK「Ribbon

6位:SOMETIME'S「Slow Dance」

7位:BLUE ENCOUNT「囮囚」

8位:上木彩矢wTAKUYA「Over Again」

9位:ゆず「奇々怪界-KIKIKAIKAI-」

10位:King Gnu「BOY」

 

 

 

2021年はB'zやZARDのサブスク解禁、ABBAの40年ぶりとなる新譜リリースなどあり、心躍りました。

また、数々の素敵なアーティストとの出会いがあり、日々を彩ってくれました。

 

2022年も素晴らしい楽曲にたくさん出会えることを願って、この辺で。

 

皆さんありがとうございました。

髭男の新作「Editorial」を発売日にレビュー

本日発売された、Official髭男dismのメジャー2nd Album「Editorial」を一通り聴いたので、感想を記していく。

 

「傷口が綺麗になる」ではないが、早速嘘をついた。

 

一通りではない。3回通して聴いた。

3時間ぶっ続けで聴いた。

 

それを経た今感想をつらつらと述べていく。

 

※あくまで個人的な見解なので否定的な意見は受け付けません。

 

 

 

M1.Editorial

<国民的バンドと称されるまでに有名になった後に初めて放つアルバムのテーマはこちら!>

というアルバムの自己紹介のような曲。

アルバムと同タイトルなので至極当然かもしれないけど。

 

大ブレイク後のアリーナツアーはコロナ禍で中止・延期になってしまった。見据えていた未来像が途端に見えなくなってしまった。

そんな髭男からの心の底からの"僕らの想い 届け!"を確かに感じた。

 

 

M2.アポトーシス

ラジオで解禁された時、このテイストの曲をアルバムのリード曲にするとは…?とこれまでの私の音楽体験からは考えられない意表を突かれた。

 

すべて聴いてから思うのは、

誰かの人生の名盤に挙げられるであろう神アルバムができました!

そんなアルバムを1曲に凝縮したのがアポトーシスです!

という想いもあるのかな、と。

 

着目したのは1サビとラスサビの"鎮まり返ってる"の部分。

「静」ではなく「鎮」の字を使っているあたり、素晴らしいなと思った。

コロナ禍で感じざるを得ない負の感情で溢れ返る世の中を上手く表現してるなと。

 

 

M3.I LOVE…

今作収録曲の中で最大のヒットナンバーのはずだが、アルバム通して聴くと残る印象が薄くなってしまった。

 

それほど他の曲の主張が強いということなんだけど、アポトーシスからの流れは愛し愛されることの強さを独り身の自分に訴えられた。

 

 

M4.フィラメント

松浦さん・藤原さん作詞作曲。

楢﨑さん歌唱パートが良い味を出してる。

 

暮らしに悩みや葛藤は付き物だけど、"進むがいい""笑えばいい"。

それでいい。

 

 

M5.HELLO

めざましテレビ」タイアップ曲ということもあって、フィラメントに続いて明け方〜朝支度を終えて家を出る風景が浮かぶ。

 

フィラメントで“掴め〜!"で終わってからの"ハロー!"は思わずおお!と唸らされた。

 

 

M6.Cry Baby

Editorial界の異端なスター。

意図的かはわからないけど、歌詞カードの背景色も異質。

 

<転調しまくる楽曲>と最近メディアで紹介されているのを観て思った。

幸か不幸か、聴き過ぎて転調慣れしちゃったよ、と。

 

 

M7.Shower

アルバムの中で最も覚えるのに時間を要しそうな曲。

歌詞は多いしメロディは難解。

 

こんなにおしゃれな楽曲の中で存在感を放つ"おかずウォーズ"というパワーワードには思わず笑ってしまった。

 

 

M8.みどりの雨避け

楢﨑さん作詞作曲。前作の『旅は道連れ』といい、日常の描写とサウンドの融和が心地良い。

 

アルバム新録曲の中で最もこれまでの髭男にないサウンドアプローチだと思った。

 

 

M9.パラボラ

帰宅した真っ暗な部屋にて、積み重なっていく明日に向かって、微かだけど確かにある光を探して生きていく。

 

余談だけど、アルバム発売日にストリーミング1億再生達成するなんてぬいぐるみの出来レースですか?

(おめでとうございます!)

 

 

M10.ペンディング・マシーン

スマホの画面を開くとSNSの通知が。

気が乗らない。メッセージの返答が億劫だ。

友人の少ない自分でもよくあるよね、と共感してしまった。

 

1サビとラスサビで歌い方を変えてるのが、最初はもしかしたら言葉に迷いがあったかもしれないけど、無くなってしまったよ、もう考えは変わらないよ!という堅い気持ちを表しているのかもしれない。

 

さらに注目点は"マウンティングの泥試合"。

泥仕合」でなく「泥試合」と表記させるのは意図があるに違いない!

直後に"競い合って"とあるから造語的ニュアンスなのかもしれない。

だってそもそも「ペンディング・マシーン」が造語だよね?

そう納得させよう。

 

 

M11.Bedroom Talk

小笹さん作詞作曲。

歌詞に一度だけ登場する「君」。

恋人に当てはめるのがセオリーなのかもしれないけど、親友や信頼できる大切な人に置き換えると独り身の心は軽くなる。

 

そう、君の運命のヒトは僕じゃなくても。

 

 

M12.Laughter

目が覚めると外が明るみ始めている。

充分な睡眠とは到底言えないが、何とか起きられるくらいには体力も気力も回復した。

 

世の中は日付以外何も変わっていない。

どんなことを考えていてもこの世界を生きなければならない。

本望じゃないけど、自分に嘘をついてやり過ごさなければならない場面にだって出会すだろう。

 

自分の中に答えを見つけていこう。

すぐに見つける必要はない。いつの日か確信になる答えを見つければいい。

自分自身に勝利を告げるために。

 

 

M13.Universe

既存曲だから特に期待していなかった。

だけど、イントロが流れた瞬間に確かに感じた。

Laughter以上のエネルギーを。

曲終わりまでその熱は上がり続けた。

 

音でも詞でもこの曲で一気に光が差し込む。

それは一筋ではなく、青空の下の競技場の開閉式屋根が全開になるように。

 

 

M14.Lost In My Room

リアルな描写の歌詞からは藤原さんのこのアルバムへの葛藤をひしひしと感じる。

 

一ファンとしては、

そんなに裏声を曝け出してくださるなんてなんて大サービスですか⁉︎

という感想が一番適してる気がする。

 

 

 

 

アルバムを通して、

たまに現実逃避してもいいからとりあえず日々を大事に生きていこう、疲れたら帰って休めばいい、

と勇気をもらった。

 

 

サブスクで単曲をつまんで聴く時代にサブスク再生回数ではトップに居る髭男がこのアルバムを放ったことに意味があるのだろう。

 

 

アルバムとしては個人的には「Traveler」よりも好きかもしれない。

 

 

今後聴く回数が増えるにつれ異なる感情が出てくるだろうが、たまには発売直後の今の感情を曝け出す生々しいブログも悪くないだろう。

 

半年ぶりの記事で言うことじゃないけど。

 

3周年‼︎

どうも、はじき銀舎です。

 

友達が

欲しいと思ったから

2月20日はブログ記念日

 

ということで、当ブログは開設から3年となりました!

 

 

 

記念すべき日である今回は今伝えたいことを簡潔に記します。

 

 

 

 

 

まず1つ目。

年明けから本格的に仕事を再開しました。

 

昨年4月に失業したことはブログで報告しましたが、その後短期の仕事を経て、1月から新たな場所で働き始めました。

 

 

この間の8ヶ月、外に出るのも億劫になったり、何もしたくないといった無気力感に苛まれることもありました。

 

 

 

何とか再起しました。

 

 

 

働き始めということもあり、責任感やプレッシャーという面でストレスが少ないことも理由かもしれませんが、健康で元気に仕事に従事することができています。

 

ですが、油断はできないのでこの8ヶ月の苦悩や葛藤などをずっと忘れず今後も頑張りたいと思います。

 

 

 

 

 

2つ目。

心境の大きな変化がありました。

 

 

具体的には、仕事に対する向き合い方や考え方が大きく変化したと自覚しています。

 

それは対物よりも対人が顕著で、以前より懐に余裕が生まれたというか、仕事仲間や他人を気遣えるようになったというか。

 

これはとても良い傾向だと思っています。

仕事があるということがどれだけの安心感を与えてくれていたのか、身に沁みて実感したから生まれたものだと思います。

 

 

 

 

 

最後に伝えたいこと。

 

4年目も当ブログは継続予定ですが、はてなブログの「ゲイブログ」グループの創設者であるchuckさんに僭越ながらここで感謝申し上げます。

 

3年前、冒頭で触れたようにゲイとして気兼ねなく話せるような友達が欲しいと思い、日々の出来事や考えを発信するブログを開設することにしました。

 

結果的に、ご縁があったグループのブロガーさん数名と直接会ってお話することができ、現在では定期的に連絡を取り合い、真剣な相談事から他愛もない世間話まで、モノクロだった日々に彩りを添えてくれる友人ができました。

 

このような良い巡り合わせがあったのは、偏にchuckさんの存在、そしてブログを拝見した上で「この方が代表のグループだったら安心だ」という直感があったからです。

 

この場で御礼申し上げます。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

スローでマイペースになるかと思いますが、今後も当ブログをどうぞよろしくお願いします。

 

図々しくいこう

性格は簡単に変えられない。

だから面白い、と誰かは云う。

 

それは多様性にもつながる。

だから無理に変える必要はない、と誰かは云う。

 

 

 

 

 

ここ数ヶ月の間でいくつかの性格診断テストを受検した。

 

自分の性格がどんなものであるかということはある程度分かっているつもりだが、客観的な指標や評価を言語化したものを得るために。

 

その中でも全てのテストにおいて顕著に振り切れた結果が出てるのが「慎重性」である。

 

・イベントに積極的でなく、行動を起こすのに時間がかかる。のちに行動を起こせなかったことを悔やむことも多い。

・頻繁に取り越し苦労をしてくよくよ悩む。

・気弱で引っ込み思案。

 

これらの要素はまさにその通りだといえる。

 

前提として、性格の長所と短所なんて表裏一体で捉え方によってどちらにも転ぶ、なんてことは百も承知。

極端に足りないものだと思ってても、この上ない魅力に映ることもきっとある。逆も然り。

 

 

テストの結果にはアドバイスが付与されているのだが、"もう少し図々しくあれ"というものがあった。

思わず笑ってしまった。

 

 

 

自分で言うのも変なのだが、僕には"図々しさ"がまるでないと思う。

 

 

一人で外食をしようという時に、お店の混雑状況を確認すると行列が出来ている。

…諦める。

 

演説者にどうしても聞きたいことがあるとする。だが、周りには質問したいと思っている人がいる。

…諦める。

 

バスの2人がけシートや電車の1席だけが空いている。

…座らない。

 

 

並ぶことや座ること=図々しい、という訳ではない。

質問する人=図々しい人、と言いたい訳でもない。

 

 

考えてみたら、日々の生活で要らない遠慮ばかりしている。誰のためでもないはずなのに。

だから、「何故?」「何のためにそんなことをしてるの?」と聞かれても答えられない。

性格がそうなんだから、としか言いようがない。

 

 

 

例えば、自動販売機で誰かに飲み物を買ってあげるシチュエーションがあるとする。

 

自分だったら、その人に何が飲みたいかを聞いてからでないと買うことができない。

 

それは、「要らない」とか「こっちの方が良かった」と言われるのが怖くて避けたいという、ある意味では"逃げ"なのかもしれない。

 

 

 

この"逃げ"の姿勢は、相手に気を遣わせたくない、不要な労力を使わせないようにする特有のものだと思っている。

人によってはそれを面倒な人間だと思うかもしれないが、誤解をされたくないが為に敢えて前置きを作ったり説明過多になってしまう。

 

 

 

 

僕が"逃げ"のスタンスになったのは中学1年の時の出来事がきっかけだ。

 

 

 

 

移動教室である音楽の授業で席割りを決めることになり、僕は全く喋ったことのない男子と隣同士になった。僕と彼は違う小学校から上がってきて、通常の教室でもそれまでまともに話したことが無かった。

 

僕は彼に対して凄く真面目で真剣に授業を受けるイメージを抱いていたため、僕も一切無駄な会話をせずに真面目に授業を受けていた。

 

これが間違いだった。

 

そんな授業を何度か繰り返したある日のこと。偶然にも、彼が仲の良い友人に陰で僕のことを話しているのを耳にしてしまった。

 

 

「あいつは何も喋らなくてつまらない」

 

 

衝撃的だった。

瞬間、心を抉られたような気がした。

近づけようとしていた距離は反対に引き離されていた。

気を遣ったつもりだった。それが裏目に出てしまった。

そして、その距離はその後一向に縮まることはなかった。

 

 

ここから僕の学校生活が少しずつ壊れていったと言っても過言ではない。

 

 

そう、この男子は後に以前の記事で触れたいじめグループの一員となるからだ。

 

 

hajiki-ginsha.hatenablog.com

 

 

 

あの時、普通に会話を振ったりしていれば僕の中学時代はマシなものになっていたのだろうか?

あの時、中学生らしく人間臭く、ある意味で"図々しく"接することができていれば拗れた性格にならずにいたのだろうか?

 

この一件が契機となって、独りを好むようになり、自分の殻に閉じこもることが楽で傷つかない最善手だと知った。

同時に、人と接する時は前述の"逃げ"の姿勢を貫くことが必要だと感じた。

 

 

 

 

 

と、過去の経験に触れたが、人との付き合い方はあまり深く考えすぎてもいけないのかもしれない。

 

King Gnu『白日』にはこんな一節がある。

 

後悔ばかりの人生だ

取り返しのつかない過ちの

一つや二つくらい

誰にでもあるよな

そんなもんだろう

うんざりするよ

 

 

戻ることができないのが人生。

日々の出来事のひとつひとつが、取り返しのつかないとまではいかなくとも、過ちと解釈できることの連続なのかもしれない。

 

だが、先のことは如何様にもできるのが人生。

日々の出来事のひとつひとつには確然とした正解が存在しないが、それでも答案用紙を埋めていかなければならない。

 

 

 

 

 

他人に迷惑をかけても気にしない、自分勝手で無遠慮なさま。

"図々しさ"という言葉の意味をそのまま解釈しようとすると、

とても良いニュアンスで捉えられるものではないだろう。

だが、"図々しさ"が極端に欠如しているのも人生を渡り歩くのに大きな障壁となり得る。

僕にとっては"図々しさ"を意識して行動するのが望ましいことなのかもしれない。

 

 

 

 

 

性格は簡単に変えられない。

だけど、長期的にみれば日々の意識の積み重ねでより良いものに変えられるはずだ。

だから面白い、と僕は思う。

 

個性の集まりは多様性にもつながる。

だから無理に変える必要はない、だけどより良い個性の集まりはより良い多様性につながるはずだ、と僕は思う。

地味なゲイが「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい #1」をレビュー

先日スタートした連続ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」。

 

予想以上に1話が素晴らしかったので、その感想を書いていく。

今後の展開次第では確変を起こしそうな作品。期待が膨らむばかりだ。

 

 

 

ネタバレ含みます。

 

 

 

 

 

このドラマ、僕の住む地域は放送外で全く観る予定が無かった。だが、TVerで配信されていることを知り、すぐさまインストールして視聴。

以降、気付けば食い入るように何度もリピートしている。

 

 

いわば"チェリまほ"フィーバーの真っ只中で、個人的には「おっさんずラブ」の1話終了時の熱を超えていると言っても過言ではない。

 

 

 

1話のあらすじを簡単に記す。

 

 

童貞のまま30歳を迎えた安達。

 

30代も20代と同じように平凡に過ぎ去るのだろうと思っていた安達だったが、自分の身体に触れた人間の心が読める魔法を手に入れる。

 

ある日、その魔法により社内の同期・黒沢が自分に恋心を抱いていることを知ってしまう。

 

黒沢から絶えず漏れる自分への気持ちをすぐには受け止めきれず、戸惑ってしどろもどろに。

 

だが、黒沢が誰よりも自分のことをよく見てくれていることを知り…。

 

 

 

 

言い忘れていたが、このドラマはBLである。

 

 

演じるのは安達役の赤楚衛二さんと黒沢役の町田啓太さんという盤石の二枚目俳優。

 

 

イケメンで30歳まで童貞という何とも現実味のない設定だが、それでも親近感が湧く描写が度々あって共感できてしまう。

 

例えば、よく躓いたりして少しドジだったり。

自己評価がかなり低かったり。

30歳の誕生日を祝うメッセージが友達の柘植(今後のストーリーに深く関わってきそう)と母親の2件しかなかったり。

 

僕みたいな冴えない地味な男がそうであるなら納得のいくような要素を甘いマスクのイケメンがもっている。

まあ顔立ちはさておき、主人公への感情移入が容易くできてしまうのが、惹きつけられる魅力のひとつだと言えるのだ。

 

 

 

 

1話最大の名シーンは終盤の一コマだろう。

 

黒沢が自分のことをよく見てくれていることを知った瞬間に安達が驚きと嬉しさを混ぜた表情を見せる。

そして、心の中で「ちょっと泣きそう…。」と感情が出る。

 

何度観てもこのシーンがグッとくる。

そして、こんな感情を抱いてみたいものだ、とひたすら羨む。

 

 

 

 

 

話は脱線するが、ゲイの場合挿入を含む同性との経験があっても"童貞"という位置付けで合ってるのだろうか。

 

"童貞"という言葉を調べると、異性との性行為経験をもたないなどといった説明がなされているのを確認できるため、これらの意味をそのまま受け入れると僕も"童貞"ということになる。

 

やった、安達と同じ年齢で同じ"童貞"仲間だ。

 

 

 

 

 

 

 

原作漫画がまだそんなに多く刊行されていないようで、ドラマはオリジナルのストーリー展開になっていく模様。

 

まずは、第2話を目に焼き付けたいと思う。

 

同い年の同じ童貞(?)として、安達の人生に大きな影響を与えるであろう物語を見届けたい。

大人になる

熱帯夜。

暗くなった空でもカラッとした窓の外とは正反対に、僕の心の中には靄が立ち込めていた。

 

 

その原因は、スマホに映る高校時代の同級生男子からの着信履歴。

あまりに唐突で、思わず「え⁉︎」と声が出る。連絡がくるのは大学生以来か。となると7〜8年ぶりだろうか。

 

 

その通知を目にした僕には嫌な予感しかなかった。

 

 

 

一言でいえば、高校生当時の彼はいじり役で僕はいじられ役。いじめられていた訳ではないが、あまり良い印象はない。

 

いわゆる"陰キャ"の僕は、クラスの一軍にいた彼には遠く及ばないポジションにいた。当時は現在ほど陰キャ度は強くなかったかもしれないが。

 

 

そんな彼が急に電話をかけてくるなんて何か思惑があるに違いない、メッセージでなく電話で連絡をしてくる点も引っかかり一体何の用があってのことだろう、などと色々な考えが巡った。

 

 

少し時間をおいてから、意を決して発信した。

 

 

 

「もしもし?元気?」

こんな口調で喋る人だったなあ、と思い出しつつ、こんな声だったっけ…などと考えながら話す。

昔の関係性の名残からか、彼のペースで質問責めを受けることに。

 

 

 

今住んでいる場所。

あまり明かしたくなかったが、仕方なく正直に答えた。

彼は遠く離れた地に住んでいるらしい。

 

 

仕事。

今聞かれたくない質問ナンバーワン。だから少し嘘をついた。

 

 

結婚。

彼に限らず、この質問を受ける時僕は大概「"もちろん"していない」と答える。

"もちろん"と強調するのはカミングアウトをする訳ではなく、結婚願望が全くないと予め土台を作っておく意図があってだ。

 

彼にもこのように返答すると、続けて「彼女は?」と訊かれたので、「居ませんよ」と答えた。

面倒なやり取りだと感じたから食い気味で答えてやった。

 

 

 

 

その後、会話は高校時代の話が展開していく。

 

 

思い出。

こんなことあったよね、と彼の口からエピソードがいくつも放たれるのだが、僕はほとんど憶えていなかった。

良い思い出だったら忘れていないのだろうが、不要な過去は捨て去りたいという念が届いているのだろうか。

どこに届いているのかは知らないけど。

 

 

そして、クラスメイトの現在について。

大学進学後、僕は一人を除いて誰とも連絡を取ってないし同窓会にも行ってないから何も知らない。

 

そもそも同窓会は行われているんだろうか?

まあ誘われても行かないんだけど。

参加して100万円貰えるんだとしたら考えてやる。

 

 

 

一方彼はというと、予想通り彼は多くの人の高校卒業後を知っているようだった。

 

ある人はどこの大学に行き、その後どこの企業に就職。

ある人は結婚して、参列した式で同じクラスメイトのあの人に偶然会った。

ある人は住んでいる地域は違うが、今でもたまに会っている。

 

さすが一軍だなと内心思ったが、卒業から10年以上経過した今現在のことは、最後の人を除いて誰も知らないという。

 

 

彼のようにコミュニケーション能力が高かったとしても、この年代になるとそういうものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

と、ここまでキャッチボールをしてきたが、この時の僕は明らかに当時とは異なる感触を得ていた。

 

 

 

 

それは、彼に対する僕の意識である。

 

昔の関係性だとクラスや男子内での決定権は一軍である彼であり、自由を好む僕は妨げるものにぶつからないよう一匹狼の如く高校生活を送っていた。

 

だから、彼に服従していた訳ではないのだが、どこか気を遣うところがあったのは紛れもない事実だ。

 

 

だが、久しぶりに話を繰り広げるうちに、何だか彼にはフラットに対応できると感じた。

 

彼の喋りからは威圧感や棘のようなものが消え、丸くなっていたからだ。

 

あくまで声や話し方の変化だけでの判断だが、その感触は間違っていないと確信できた。

 

 

 

 

 

この感触をその場で当人にぶつけてみた。

返ってきたのは「俺ももう"大人"なんだから。」という言葉だった。

 

 

 

彼からそんな言葉が発せられるなんて微塵も思ってなかった。

 

 

実は、高校時代の僕は彼に対して子供っぽいという印象を抱いていた。

すぐちょっかいを出すところ、気分屋なところ、常に感情が漏れ出ているところ。

 

 

驚きはあったが、ここまで会話を続けてきてその発言に納得できた。今の彼は確かに"大人"と言えるだろう。

 

 

 

そしてこの瞬間、彼には事実や胸の内を正直に話してもいいかな、とさえ思えた。

だから僕は、冒頭で少し嘘をついていた仕事に関しての話を切り出した。

 

嘘をついて話したことを謝り、4月にコロナで仕事を失ったこと、一からやり直している最中であることなどを明かした。

彼は静かに相槌を打っていたが、一通り話し終えるとまたも仰天の言葉が返ってきた。

 

 

「必要ならまた相談してよ!」

 

 

どうしちゃったんだよ…。

昔のお前はどこにいった?

30歳手前という年齢はどんな人間をもそう変えてしまう力があるのだろうか?

 

 

「ありがとう、その時はまたよろしく頼むよ。」と感謝し、電話を切った。

 

気付かぬうちに心の靄は晴れ、僕の口角は上がっていた。

 

 

 

 

 

「大人になる」。

なにかとよく目にも耳にもするこの言葉だが、様々な解釈が可能だ。

 

 

 

この一夜の体験から、彼からは凄く温かな気持ちを貰えた。

と同時に、精神的観点での"大人"にはなれていない気がして自分自身に新たな嫌悪感を抱くことになってしまった。

 

 

間もなく30代に突入するというのに、自分で自分がどうしようもない気分だ。

 

 

だが、時は戻らない。

 

 

スマートな"大人"を目指し、日々精進するために心を入れ替えてリスタートしよう、と誓うのだった。