本日発売された、Official髭男dismのメジャー2nd Album「Editorial」を一通り聴いたので、感想を記していく。
「傷口が綺麗になる」ではないが、早速嘘をついた。
一通りではない。3回通して聴いた。
3時間ぶっ続けで聴いた。
それを経た今感想をつらつらと述べていく。
※あくまで個人的な見解なので否定的な意見は受け付けません。
M1.Editorial
<国民的バンドと称されるまでに有名になった後に初めて放つアルバムのテーマはこちら!>
というアルバムの自己紹介のような曲。
アルバムと同タイトルなので至極当然かもしれないけど。
大ブレイク後のアリーナツアーはコロナ禍で中止・延期になってしまった。見据えていた未来像が途端に見えなくなってしまった。
そんな髭男からの心の底からの"僕らの想い 届け!"を確かに感じた。
M2.アポトーシス
ラジオで解禁された時、このテイストの曲をアルバムのリード曲にするとは…?とこれまでの私の音楽体験からは考えられない意表を突かれた。
すべて聴いてから思うのは、
誰かの人生の名盤に挙げられるであろう神アルバムができました!
そんなアルバムを1曲に凝縮したのがアポトーシスです!
という想いもあるのかな、と。
着目したのは1サビとラスサビの"鎮まり返ってる"の部分。
「静」ではなく「鎮」の字を使っているあたり、素晴らしいなと思った。
コロナ禍で感じざるを得ない負の感情で溢れ返る世の中を上手く表現してるなと。
M3.I LOVE…
今作収録曲の中で最大のヒットナンバーのはずだが、アルバム通して聴くと残る印象が薄くなってしまった。
それほど他の曲の主張が強いということなんだけど、アポトーシスからの流れは愛し愛されることの強さを独り身の自分に訴えられた。
M4.フィラメント
松浦さん・藤原さん作詞作曲。
楢﨑さん歌唱パートが良い味を出してる。
暮らしに悩みや葛藤は付き物だけど、"進むがいい""笑えばいい"。
それでいい。
M5.HELLO
「めざましテレビ」タイアップ曲ということもあって、フィラメントに続いて明け方〜朝支度を終えて家を出る風景が浮かぶ。
フィラメントで“掴め〜!"で終わってからの"ハロー!"は思わずおお!と唸らされた。
M6.Cry Baby
Editorial界の異端なスター。
意図的かはわからないけど、歌詞カードの背景色も異質。
<転調しまくる楽曲>と最近メディアで紹介されているのを観て思った。
幸か不幸か、聴き過ぎて転調慣れしちゃったよ、と。
M7.Shower
アルバムの中で最も覚えるのに時間を要しそうな曲。
歌詞は多いしメロディは難解。
こんなにおしゃれな楽曲の中で存在感を放つ"おかずウォーズ"というパワーワードには思わず笑ってしまった。
M8.みどりの雨避け
楢﨑さん作詞作曲。前作の『旅は道連れ』といい、日常の描写とサウンドの融和が心地良い。
アルバム新録曲の中で最もこれまでの髭男にないサウンドアプローチだと思った。
M9.パラボラ
帰宅した真っ暗な部屋にて、積み重なっていく明日に向かって、微かだけど確かにある光を探して生きていく。
余談だけど、アルバム発売日にストリーミング1億再生達成するなんてぬいぐるみの出来レースですか?
(おめでとうございます!)
M10.ペンディング・マシーン
気が乗らない。メッセージの返答が億劫だ。
友人の少ない自分でもよくあるよね、と共感してしまった。
1サビとラスサビで歌い方を変えてるのが、最初はもしかしたら言葉に迷いがあったかもしれないけど、無くなってしまったよ、もう考えは変わらないよ!という堅い気持ちを表しているのかもしれない。
さらに注目点は"マウンティングの泥試合"。
「泥仕合」でなく「泥試合」と表記させるのは意図があるに違いない!
直後に"競い合って"とあるから造語的ニュアンスなのかもしれない。
だってそもそも「ペンディング・マシーン」が造語だよね?
そう納得させよう。
M11.Bedroom Talk
小笹さん作詞作曲。
歌詞に一度だけ登場する「君」。
恋人に当てはめるのがセオリーなのかもしれないけど、親友や信頼できる大切な人に置き換えると独り身の心は軽くなる。
そう、君の運命のヒトは僕じゃなくても。
M12.Laughter
目が覚めると外が明るみ始めている。
充分な睡眠とは到底言えないが、何とか起きられるくらいには体力も気力も回復した。
世の中は日付以外何も変わっていない。
どんなことを考えていてもこの世界を生きなければならない。
本望じゃないけど、自分に嘘をついてやり過ごさなければならない場面にだって出会すだろう。
自分の中に答えを見つけていこう。
すぐに見つける必要はない。いつの日か確信になる答えを見つければいい。
自分自身に勝利を告げるために。
M13.Universe
既存曲だから特に期待していなかった。
だけど、イントロが流れた瞬間に確かに感じた。
Laughter以上のエネルギーを。
曲終わりまでその熱は上がり続けた。
音でも詞でもこの曲で一気に光が差し込む。
それは一筋ではなく、青空の下の競技場の開閉式屋根が全開になるように。
M14.Lost In My Room
リアルな描写の歌詞からは藤原さんのこのアルバムへの葛藤をひしひしと感じる。
一ファンとしては、
そんなに裏声を曝け出してくださるなんてなんて大サービスですか⁉︎
という感想が一番適してる気がする。
アルバムを通して、
たまに現実逃避してもいいからとりあえず日々を大事に生きていこう、疲れたら帰って休めばいい、
と勇気をもらった。
サブスクで単曲をつまんで聴く時代にサブスク再生回数ではトップに居る髭男がこのアルバムを放ったことに意味があるのだろう。
アルバムとしては個人的には「Traveler」よりも好きかもしれない。
今後聴く回数が増えるにつれ異なる感情が出てくるだろうが、たまには発売直後の今の感情を曝け出す生々しいブログも悪くないだろう。
半年ぶりの記事で言うことじゃないけど。