はじき銀舎の地味日記

地味な生活を送る、冴えない男の日記

悲喜交交の髭男ライブ

1/22(土)に開催された「Official髭男dism one-man tour 2021-2022 -Editorial-」国立代々木競技場第一体育館初日公演に参加したので、ライブの感想を綴ろうと思う。

 

 

※セットリスト等ネタバレとなる内容に触れるので、これから参加される方や見たくない方は以下目にしないようにご注意ください。

 

 

 

 

 

髭男のライブに足を運ぶのは今回で5度目となった。

個人的には今回のような1万人規模のライブに参加するのは初だったが、いざ入場してみるとアリーナの26列というかなり前方の席でかつほぼ中央という神席。

場内では会話を控えていたが、内心のテンションは最高潮だった。

 

 

静寂に包まれた会場から大音量で轟いてきた幕開けの曲は、Universe

イントロから心地良いリズムに身体が動き、Vo.藤原さんが奏でる歌声はパワフルさにさらに拍車がかかっていた。

本ツアーはタイトル通りアルバム「Editorial」を引っ提げて行われているもので、Universeはラストナンバーに繋がる大事な役割を担っているが、オープニングを飾ってもしっくりくる不思議な感覚。

Official髭男dismのテーマパークがあるとするのならば、Universeはエントランスエリアのようになくてはならない大事なピースだと思った。

 

 

その後HELLO、宿命と続き最初の挨拶。

この時、観客の拍手がなかなか鳴り止まなかったのが印象的だった。

皆がそれぞれ待ってたよ、という声に出せない意思を表しているかのようだった。

 

 

115万キロのフィルム、Showerを挟んで演奏されたのは、みどりの雨避け。

披露前のBa.楢﨑さんのMCにグッときてしまい、曲中に涙してしまった。

好きなお店や友人、景色は永遠ではないこと。

来たくても様々な事情で来られない人達が沢山居ること。

ライブに来ることができているのは幸運であること。

この瞬間は楽しい時間を過ごしながらも、センチメンタルになっていた。

 

 

ライブで聴くのをとりわけ楽しみにしていた曲のひとつであるLaughterでは、壮大な楽曲の世界観と大きな会場に響く藤原さんの力強いボーカルが相乗効果を生み、感動の渦に包まれた。

"人格者ではなく 成功者でもなく いつでも今を誇れる人で在りたい"

何となく良い歌詞だなと思っていたこのパートがやたら刺さったのも、情勢や心情など様々な要因が重なった結果なのだろう。

 

 

前半最後に披露されたのは、最新曲Anarchy。

リリースされてからTV披露なし、ライブ音源や映像も未配信のため、この曲もどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか期待大であった。

演出もパフォーマンスもアングラ感が全面に出ており、ここまでのどの曲にも無い感情、カッコよすぎてひたすら圧倒されてしまった。

余計なお世話なんだけど、有観客での披露はまだ多くて6回目のはずなのに、何万回も歌って慣れてますみたいな貫禄すら伝わってきた。

新たなライブ定番曲になってほしいと率直に感じた。

 

 

MCの後、ライブは後半へ。

 

 

Stand By Youでステージと観客が手拍子で一体となり、声が出せない昨今のライブで最大級の盛り上がりを見せたかと思いきや、ブラザーズでは恒例のハンズアップで熱量は上がり続けた。

 

 

しかし、髭男はここで盛り上がりを止めない。

 

 

ノーダウト、FIRE GROUNDとライブアレンジを存分に取り込んだキラーチューンを怒涛の如く披露して会場全体のボルテージが最高潮に達すると、待望していない人間はひとりも居ないであろうCry Babyのサイレンが遂に鳴り響く。

 

 

圧巻、の二文字に尽きる。

曲が持つパワーが強い上に、あの演出を見せられちゃ誰しもノックダウンするよ。

 

 

光った瞳の中でリベンジを誓った後、Editorialで空気はガラッと変わり、アポトーシスで再び感傷的に。

 

 

アポトーシス終わりのMCでは、当たり前にライブができる訳ではない現在の想いを赤裸々に、だけど確固たる信念を持って紡ぐ藤原さんの言葉に2度目の涙が出てしまった。

 

 

本編ラストのLost In My Roomはそんな想いを胸にして観客一人ひとりに確かに届けられたであろう。

 

 

あくまで個人的に思ったことだが、本編終了後の会場の雰囲気はどことなく暗かった。

もちろんライブは楽しいしパフォーマンスは素晴らしいのだが、直前のMCの内容を皆が反芻して刻みつけてるような、そんな空気を感じ取った。

5分くらいだろうか、僕も例に漏れずMCを咀嚼したりライブを振り返ったり、代表曲2曲とも未だやってないな、などと考えているうちにアンコールに突入。

 

 

聴き慣れたイントロは、代表曲Pretender。

最早定番となりつつあるラスサビのアレンジを聴くことができ、自身2回目の生Pretenderはやはり前回同様鳥肌ものであった。

 

 

アンコール2曲目の異端なスターが始まったかと思いきや、この日誕生日であったDr.松浦さんのサプライズバースデーの一幕で会場は笑いと温かい空気で充満。

再度演奏開始した後も、4人ともが最高のパフォーマンスをしながらもおちゃらけていて微笑ましかった。

 

 

最後の曲はI LOVE…。

この日22曲目でありながら藤原さんの声は疲れや衰えを1ミリも感じさせず、むしろ会場を壊すくらいの"イレギュラー"に震えた。

 

 

 

 

 

今回は2020年5月参加予定だった「Tour 2020 -Arena Travelers-」の振替公演として、実に2年2ヶ月ぶりの髭男ライブであった。

チケットを購入したのは前回のライブ参加よりも前の2019年10月。

ようやく、という想いだった。

 

 

髭男のライブは2017年から毎ツアー参加できていたが、社会は大きな変貌を遂げ、I LOVE…以降の楽曲は生で未体験だった。

特に聴きたかったLaughter、Cry Baby、アポトーシス、そしてAnarchy。

すべて聴くことができてこの上ない幸せである。

 

 

残るライブ未体験の曲のうち、最新アルバムで唯一披露されなかったパラボラ、好きな楽曲である未完成なままでをいつか体験するためにも、現代社会を生き抜いてまたライブに行かなければならない。

 

 

それによって、出会ってからここ数年の人生を彩ってくれた感謝の意がいつか少しでも髭男に還元されればいいな、と切に願う。

 

 

 

Official髭男dism one-man tour 2021-2022 -Editorial-」

2022.01.22国立代々木競技場第一体育館公演

セットリスト

 

1.Universe

2.HELLO

3.宿命

4.115万キロのフィルム

5.Shower

6.みどりの雨避け

7.Bedroom Talk

8.Laughter

9.フィラメント

10.Anarchy

11.Stand By You

12.ペンディング・マシーン

13.ブラザーズ

14.ノーダウト

15.FIRE GROUND

16.Cry Baby

17.Editorial

18.アポトーシス

19.Lost In My Room

En1.Pretender

En2.異端なスター

En3.I LOVE…