先週の土曜日。
この日休みだった僕は、京都の街に居た。
「そうだ 京都、行こう。」のキャッチコピーの如く、軽いノリで訪れていたのだ。
前日の悪天候から一転、風が気持ちいい散歩日和となったこの日、僕は音楽を聴きながら街を散策したり、時間を忘れて川沿いを散歩したりと、優雅なひとときを過ごした。
そんなこんなしているとあっという間に日は沈み、それに反するかのように僕の気分は昂揚していった。
そこで、京都を訪れたのと同様の軽いノリで、3ヶ月前に初めて訪れたゲイバーに行った。
入店すると、お店の方3名とお客さん1名がいらっしゃった。
僕は店員さんに促されるままに、カウンター中央の席に腰掛けた。
お酒を呑み談笑をしているうちに次第に席は埋まり、いつの間にかスタンディングでお酒を呑むお客さんが出る程、店内は賑わいをみせ始めていた。
2時間弱楽しく過ごした僕は、右隣に座っていた二人のお客さんとお店を後にした(こちらのお二人はともに初対面)。
というのも、この日お店の近くでイベントが開催されることをお店の方に事前に説明されており、是非参加してみてはどうかと勧められていたのだ。
僕は正直あまり気が乗らなかったが、仲良くお話させていただいたお二人が行くと言ったので、折角の機会なのだからとご一緒させていただくことにした。
外に出て少しだけ歩き、目的地に着いた時の僕はほろ酔い状態だったが、そこで目の当たりにした光景は鮮明に憶えている。
27年間決して触れることの無かった、華やかな空間。
どこにでもあるような一見普通のビルのワンフロアが、これ程までに煌びやかだとは想像できなかった。
だが、これは現実なんだ。
会場を去ってから思ったことなのだが、あんなに多くのゲイが一堂に会するのもこういったイベントくらいだろうなと思うと、何だか稀有な経験だったなと感じる。
今後どのくらいイベントに顔を出すのかにもよるのだが、お酒が入っていない状態では僕は決して楽しめないかな、と思ってしまった。
※あくまで個人的感想。
都合により途中で一人が帰ってしまったため、その後はもう一人の方と二人でイベントを楽しんだ(以下、その方を"彼"とする)。
日付が変わる頃だっただろうか。
僕らは会場を後にし、僕は彼の家に泊めてもらうことになった。
どういったやりとりを経てこの展開になったのか、実ははっきりと憶えていない。
ただ、イベントの途中で終電の時間が迫っていた時、まだ帰りたくないという気持ちが僕の足を止めて動かさなかった。そして、翌日は仕事だったが朝一で帰ればいいや、という軽い気持ちで会場に踏みとどまったことは記憶している。
とはいえ、終電を逃した際のいつものパターンで、カラオケで仮眠をとるつもりだったから、決して彼の家にお邪魔して迷惑をかけたくはなかったのだ。
そのあたりの事の顚末は頭に残っていないため、彼が「来ても良いよ」と言ってくれたかどうかなどは全く憶えていない。
(我ながら、近頃のお酒の席で毎度のように記憶を飛ばしている気がする。もう少し節度をもち自分に厳しくしなければ。)
だが、蓋を開けてみると、彼の家に泊めてもらうことになっていた。
今考えると、凄く自分勝手だったなと反省している。
ちなみに、彼は年下。
年下の子が年上の家にお世話になるのではなく、逆なのだから、尚更"何やってるんだ。"と自分自身を叱責したい。
とはいえ、その時の僕は酔っていたこともあり、ついついはしゃいでしまった。
さすがにそろそろ大人の振る舞いを身につけていかねば、とさらに反省してしまった。
結局、翌朝の電車の時間までお世話になってしまった。
翌朝、仕事の為朝一で戻らなければいけなかった僕は重い腰を上げて彼の家を後にし、大急ぎで帰宅、二日酔いと睡眠不足のダブルパンチで憂鬱な日曜の仕事を熟すのであった…。
だが、そんなうだつの上がらない環境下でも、僕の心は幸せな気持ちで溢れていた。
今は諸般の事情ではっきりと書けないのだが、ここには挙げ尽くせないくらいのさまざまな初体験を経験した一日となった。
これはいずれ公開できるようになったら明かすかもしれない(申し訳ありません…。)。
今後の人生、僕にはまだまだ沢山の未体験が待ち構えているであろう。
純粋な気持ちで愉しむことができるよう、今のうちから心の準備を進めておきたい。
〜6/13追記〜
あの一夜から4日経過した。
毎日あの夜のこと、そして彼のことを思い出しては考えてしまう日々が続いている。
こんなことは、これまで無かった。
K君にもこういった事象は起きなかったし、Eさんに対しても同様のことは決して無かった。
そして、Wさんでさえも。
今の僕は、彼に気に入られたいという想いで頭がいっぱいだ。
このソワソワした気持ちというか漫ろ心のようなものは何なのだろうか、と一日考えていた。
そして、僕が下した結論。
きっとこれが"恋愛感情"なのではないだろうか。
とりあえず、この先一定期間、この漫ろ心や感情が拭えそうにない。