3/14(水)、職場にEさんがやってきた。
Eさんのことは以前記事で紹介したが、
「こんにちは。」と第一声を放った瞬間から、相変わらず爽やかで笑顔が輝いている。
Eさんの訪問はいつも突然なのだが、今回は予め訪問することを知っていた。
というのも、前回お会いした際に、次回来る時は事前に連絡してほしいと頼んだからだ。
何故そんなお願いをしたかというと、どうしても渡したいものがあったから。
それは甘い御菓子なのだが、満足してもらいたい想いが溢れてた僕は念の為、
「甘いものは好きですか?」
「渡したいものがあるので、次回来ていただく日が決まったら、事前に連絡いただけると嬉しいです。」
とメッセージを送っていた。
Eさんとはたまに仕事に関することをLINEでやりとりしている。また、訪問時に都合が合えば、2人でご飯やカフェに足を運んでいる。
そして、その会計は何故かいつもEさんだ(僕は払いたいんですが、払わせてくれません。ケチだと思われないように補足しておきます)。
毎度のようにお金を出してもらってるので、何かお返しをしなければとずっと考えていた。
お返しに差し上げようと考えている御菓子のお店は、一風変わった何十種ものスイーツを手軽にチョイスして購入できる点が魅力で、今年の頭に雑誌に掲載されているのを見て知った。既に仕事関係者2人に差し入れて好評だったから、僕の中では"間違いない差し入れ"だ。
だが、お店は休日しか行くことができないくらいに自宅から離れている。
その為、Eさんの手間をかけてしまうが、事前にいらっしゃる日を教えてほしいと伝えていた。
そして月日は流れ、3/12(月)にLINEの通知が鳴った。
Eさんからだ。
「14日(水)に訪問するのでよろしくお願いします。」というメッセージが届いた。
僕は浮かれながらも、「教えてくださりありがとうございます。当日お待ちしています。」と簡潔な文章で返信した。
13日(火)、偶然にも仕事が休みだった僕は、昼間に菓子店へ。
この日は、翌日がホワイトデーとあって、店には列ができていた。女性の姿もあったが、恋人にお返しを渡す為に訪れているような男性の割合が高い。
若い二枚目や幸せそうなパパなど、皆がリア充に見える。
Eさん、何故このタイミングに来ちゃうかな…。
もちろんEさんの仕事の都合で、それ以外に深い意味は無いに決まってる。
だけど、脳裏に浮かんだEさんの満面の笑みが、何故だか僕が困るように、Eさんが意図的に仕組んだような"したり顔"のように感じてしまい、いかんいかんとすぐに頭を振り払った。
そんなことを考えながら5分くらい列に並んだ後、ようやく入店。
ちなみに、僕は普段の生活では絶対に行列には並ばない。行く予定だったとしても、列を見るだけで諦めることもある。飲食店であれば別のお店を探す。
だが、大切な人の為なら話は別だ。
お店に入った僕の目に飛び込んだのは、これまでに見たことの無い光景の売場だった。
ショーケースの中が結構空になっていた。
そして、いつもならディスプレイに置いているお目当ての商品はすべてなく、売り切れていた。
その時点でまだ残っていた他の商品は要冷蔵だった為、外回りをしているEさんには渡すことができない。
残念な気持ちでいっぱいだったが、僕は「また来ます。」と伝え、お店を後にした。
翌日14日(水)。
冒頭の挨拶を終えた僕は、すぐに「申し訳ありません。」と、Eさんに謝罪した。
そして、「次回こそは必ずお渡しします。」と伝えた。
男らしくないが、ホワイトデーという言い訳を全面に出して。
次回は、何としてでも渡さなければ気が済まない。
御菓子をゲットして直接渡す。簡単にクリアできそうだが、タイミングによってはわからない。
その機会は一旦お預けだ。
絶対に次のチャンスを逃す訳にはいかない。
チャンスを掴むその時まで、気が抜けない日々が続きそうだ。