サプライズ。
ターゲットに内緒で、喜んでもらえるような、また想い出に残るような企画を考え、それを知らせぬまま実行に移し驚きと喜びを味わってもらう。思い通りに事が運べば、する側もされる側も笑顔になる楽しいイベント。
そんなサプライズを僕は先日初めて体験した。
そう、仕掛ける側ではなくターゲットとして。
それは仕事中のこと。
いつも通り業務に没頭していると、近くから「おぉ!」と声がした。
声のする方向に目線を向けると、そこにはK君の姿があった。居るはずのないK君が。
「えっ⁉︎ ちょっと待って…。えっ⁉︎」
驚きのあまり、脳の思考回路が追いつかない。
「えっ、何でいるの?」
今振り返っても、我ながら滑稽なトーンで質問していたことだろう。
これが、ドラマにありがちな再会シーンの撮影本番だったら一発OKだったかもしれない。
K君は現在九州に住んでいる。そして僕は関西。
K君はある用事のために、九州から僕の住む地域に来ていたらしい。その用事を終えて、K君は僕の職場を調べて"わざわざ"寄ってくれたのだ。
"わざわざ"と敢えて付けたのは、時間を割いてくれたこと、電車賃を払ってまで顔を出してくれたこと、そして労力を費やしてくれたこと。
全て、僕なんかのためにやってくれたのだ。
これまでの人生で、僕はこういった"わざわざ"を経験することはほとんど無かった。いや、もしかするとあったのかもしれないが、今記憶に残っていないのだから無かったのだろう。
まあ、周囲の人間と関係性を深めることが怖くなっていたし、他人のために尽くした記憶が無いのだから当然なのだが。
だから、K君のこの優しさは僕にとってこの上ない喜びだし、本当に感謝しかない。
再会のシーンに戻る。
K君は相変わらずだった。
時間(とき)の経過を感じさせない童顔を僕に向け、微笑んでいた。
僕は徐々に驚きが嬉しさに変わっていくのを感じながら、色々質問をした。
何せ、LINEで連絡のやりとりをしているが、ここ半年は途絶えていた。
最後に連絡したのは僕発信で、近況はどうなのか、元気にしているかといった内容のメッセージを送ったが、返事は返ってきたものの忙しかったようで、短いラリーで会話は終了した。
それからというもの、僕から連絡をするのは迷惑になるかなと思い我慢していた。
そして、K君の現状がどうなっているのかずっと心配していた。
話を聞くと、この半年間K君は元気にやっていたようで、とても有意義に過ごしていたようだ。
聞きたかったが聞けていなかったK君の今後の展望を聞き、僕の展望も少しだけ吐き出すことができた。
この日すぐに九州に戻らなければならないにもかかわらず、立ち寄ってくれたK君。
ほんの僅かな時間だったけど、僕は幸せで充実した時間を過ごすことができた。
K君に負けないくらい僕も努力して頑張らねば。
友の雄姿は僕の奮起剤だ。
この記事を読んでくださる方の中には、大した事ないサプライズかと思われる方もいらっしゃるかもしれない。
だが、僕にとっては初めてで最高のサプライズ。
最後に。
このブログを見ているわけが無いが、K君へメッセージ。
「サプライズ大成功だよ!」