はじき銀舎の地味日記

地味な生活を送る、冴えない男の日記

はじき銀舎の形成 其の四〜親友現る〜

こんにちは、はじき銀舎です。


シリーズ第四弾、今回は高校時代、そして少しだけ大学時代のエピソードを含む。

以下、続きです。







高校生になる。高校では、中学でやっていた運動部には所属しなかった。
(一応勉強は最低限してました、ということにさせてください)



初めての交際や初めての経験が高校生の時、という方が非常に多いと思うが、もちろん僕は例外だ。


それもあってか、記憶を最大限に引き出してみたが、高校生活3年間の特筆すべきエピソードがまるで見当たらない。


淡々と、学校に行き授業を受けるという日々の業務をこなしただけの日々。



高校時代の人付き合いに関しては、中学で培われた"孤独を愛する人間性"、良く言えば"一匹狼"を存分に発揮していた。

自分から話しかけることがない訳ではない。話しかけられない訳でもない。

ただ、必要事項以外は無駄に会話せず、同級生と距離を詰めすぎることなく、上辺だけで接することが多かった。




そんな、"何をやってたんだか…。"と自分でも哀しくなる高校時代だが、一つだけ僕のこれまでの人生のトピックで欠かせないことがある。





それは、K君との出会い。今でも連絡を取り合う、僕の唯一の親友だ。




K君とは高校3年間ずっと別のクラスだった。
1年の時は廊下で顔を合わせてたまに会話する程度。2・3年になっても、共通の話し相手が間に居れば、三角形の残り一辺を描くように少し話すくらいだった。





あれ?2年になって関係性が薄くなってない?と思った方、御名答です。



実は、当時僕はK君のことが苦手だった。嫌い寄りの苦手。


K君は結構毒舌というか口が悪いところがあって、言いたいことがあると相手の目の前で直接言うタイプ。


これだけの情報だと、かなり感じの悪い奴って捉えられるかもしれないが、ただの悪い奴ではない。というか、悪い部分なんて見当たらない。


というのも、間違ったことは何一つ言わないし、何より童顔で可愛らしいルックスの持ち主。


ルックス関係ないなあ…。でも、初対面でそんなタイプに見えないから、凄くギャップがあるのだ。
(この辺りの僕のK君に対する感情については、また別の記事で書こうと思う。)




話を戻す。



僕は1年の序盤、まだ何度かしか話したことがない時に、K君の言動に腹が立った。僕の何を知ってるんだ、と思わせるような言動だったと思う(何故かこの言動は思い出せない)。


その言動を推測するに、K君も僕のことをあまり快く思ってなかったかもしれない。



そんな壁を隔てたままの関係で高校を卒業し、僕とK君はそれぞれの道を歩み始める。




仲良くなったのは、大学に入ってからのこと。僕が進学した大学とは地域も全く違う大学に通っていたが、連絡先は知っていたから、どちらからとなく連絡を取り始めた。
(連絡先は卒業のタイミングで交換した気がするが、曖昧である)


連絡をとると、お互いの学校の悩みを一時的に忘れるように、他愛もない話を繰り広げる。


TVと音楽が好きという嗜好から、物事に対する考え方など、何かと価値観が似ていることが発覚し、2時間超えの長電話も少なくなかった。


何故、連絡先を交換したのか?何をきっかけに仲良くなったのか?
僕が思い出せないこの二つの疑問をK君にぶつけたことがある。


だが、K君も「憶えてない。」の一言。
この疑問は一生迷宮入りなのだ。



連絡は頻繁にとっていた僕らだが、地域が違うことや、休日はお互いアルバイトに時間を要していたこともあって、直接会うことはほとんどなかった。


大学時代に会ったのは一度だけ。2年の夏に、僕の地域で会って遊んだ。K君が遠くからわざわざ来てくれて、慣れないランチや観光したっけな。


今振り返っても、あの時は心から楽しかった。大学の同級生とは味わえない感覚。
心から楽しいと思えるのは、きっとありのままの僕を見せることができるからだろう。




実は、これまで何度もK君にゲイであることをカミングアウトしようかと考えたことがある。


でも、口にできない。縁を切られることを怖れて言えない。
もしK君との縁が無くなれば、友達がいなくなる。


K君の性格を考えれば、ゲイであることを受け入れてくれそうな気もするが、100%じゃない限り僕は踏み出せない。
慎重で熟慮してからでないと行動できない性格だからだ。


結局、今日まで打ち明けていない。もしかしたら勘付いているかもしれないが、それは僕が幾ら考えたところで解ける問題ではない。







今回はこの辺りで。
読んでいただき、ありがとうございました。